【恒川光太郎】 秋の牢獄

 脳の衰えを感じます。ぶっちゃけ歳なのか頭を使っていないのかわかりません。両方かもしれません。原因探しをしても仕方がないので、読めるときに読めそうな内容の短編、長編小説を図書館や実家やネットでちまちまと漁っています。頭が動いてませんって時は素直に短編または中編からです。長編は読み終わった後の達成感が好きだけれど、話が自分と合わなかったときの「あぁしんど」感も大きいので。
 今回選んだのは図書館で借りてきた「秋の牢獄」です。恒川先生の作品は「夜市」から入り、「雷の季節の終わりに」でドはまりして以来、迷ったらこの先生の本を選べばだいたい私は楽めることがわかりました。いうて語れるほど読んでませんが……。
 秋の牢獄も3つの話が詰まっており、この本に収録されている中で好きだーとなったのは一番最後に載っていた「幻は夜に成長する」。読んだ後すっきりしたのは「秋の牢獄」。「神家没落」も面白い発想だなーと。

以下ネタバレ

■秋の牢獄

11月7日を何度も繰り返す。インセインデッドループではない。
『あっこういう大学生、居そう。』って設定の藍ちゃん。
恒川先生って女性の人間関係のあるある~表現わかりやすいなあと思うんだけど、
このひと性別どっちなんだろう?男性?
リプレイヤーがそれぞれ自分たちをさらっていく何かについて自由に解釈して、
北風伯爵という名前を付け、少しずつ消えて行って、
生活を工夫し存分に楽しんだ後(楽しいだけではありませんが)に主人公も白い使いを待つ。

「私はもう充分に、楽しんだし、悲しんだし、苦しんだのだ。一人でいたかった。」
「お迎えごくろうさん。ちょっと遅かったんじゃないの?」
「さよなら11月7日。いろいろあったが悪い一日ではなかった。」


この終わり方が好き。


■神家没落

>移動する家<
マンゴー芋だけちょっとかじってみたい。
あと美味しい水も飲んでみたい。仙人しか口にしたらいけない気もするけれど。
センジさんはなんだかんだうまいことやってたんでしょうね。
巻き込まれた主人公も、うまくやれないこともないんだろうけど、
センジさんよりも今時な若者って印象でした。
ご機嫌で家に入ってきた第二の犠牲者であり犯罪者は、とにかく登場時点から気持ち悪かった。
なんだこの意識高い系のおっさんは……→犯罪者だぜ!!
このおっさんこと韮崎を刺し、一人でも生きている間なら家に出入りできるというのは、なるほど納得でした。
狂人韮崎、どうにも既視感のある気持ち悪さだなあと思ったのですが、
あいつかな。「雷の季節の終わりに」のトバムネキ。


■幻は夜に成長する

一人称の「私」と「リオ」の記憶が混ざっているお話。
蓋を開けたらなんでこんな牢屋の中で生かされているのかの、
「私」=リオが今に至るまでの混濁した記憶の一部だった。
上二つの作品よりずっとドロドロしていて気持ち悪いのに、
幻の描写やそれがもたらす周囲との関係、暮らしへの影響が面白くて一気読みできました。
カルトこわ。悪い大人こわ。
元は純朴なかわいらしい女の子だったであろうリオがどんどん穢れて壊れていく。
最後のページではもう壊れきってる。

「暴力と、薬と、暗示が与えられ、逆らうことが愚かだと悟るや、すぐに私は従順になった。あとはひたすら幻の中にいた。」

こういうのは、作り話だから楽しく読めるんです。大好き。


二週間の期限内に読めたのでちゃんと返却しないとね。
「幻は夜に成長する」が思いのほか気に入ってしまったので、本屋で探そう。

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